入門講座 共通
論文の書き方I
天木 一太
1
1日木大学医学部萩原内科
pp.123
発行日 1968年2月15日
Published Date 1968/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917681
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1.はじめに
科学的な仕事は,毎日注意深くやっていれば,必ず新しい事実に,つぎつぎと気づくものである。たとえば試薬にある欠点があるとか,その1部を改良するとその欠点がなくなるとか,ある検査法は検体を少し長くおいておくと,テータがある方向にずれていくとかなどである。それが一般の人にすでに知られていることでなければ,一つの発見をしたことになる。その事実を知ることが,そのような仕事をする人にとって有利になることであれば,それを知らせてあげることは人助けになる。ここに研究発表が生れる。
仕事の中で偶然気がついたことが,そのまま立派な発見になることもあろう。しかし,そのようなことはきわめて少ない。気がついたり,考えたりすることは,各人各様ではあっても,だいたい同じようなことが多いのである。それを確かめたり,数字にして比較したり,何か方法や考え方に欠点がないか検討したりするために,研究活動が必要になる。
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