特集 グラフ特集臨床検査の基礎
細菌検査の基礎
細菌集落のいろいろ
高橋 昭三
1
1東大医学部細菌学
pp.92-96
発行日 1966年11月25日
Published Date 1966/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916039
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分離培地に生ずる集落をみる場合,慢然とみている傾向がないわけではありません。たとえば,結核菌と非定型抗酸菌の培養をくらべると,簡単に区別できるはずですが,培養の判定の時,たまにみられるS型淡黄色の,非定型抗酸菌は,結核菌の専門家でもないと,みのがすことがあります。しかし,ちょっとした注意で,それを発見することが少なくありません。
集落を観察する時最も大切なことはまず,S型かどうか,もしS型でなければどんな特徴があるかについてみなければなりません。そのほかに,溶血性を注意することはもちろんですが,血液寒天上の集落をみる場合に,著るしく小さいものがあります。その時は,いきなりみてもみえなくて,斜に光をあてると,ごく小さい,しかしあきらかな集落をみることがあります。ヘモフィルス属の菌では,このようなことがしばしばあります。
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