技術講座 微生物
細菌集落の観察法
木下 承晧
1
1神戸大学医学部附属病院中央検査部
pp.1131-1136
発行日 2000年8月1日
Published Date 2000/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905577
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新しい知見
分離培養は同定および薬剤感受性を目的とした標準法であり,集落の形成は培地組成に菌が適応しなければならない.培養集落は種々の条件により形態の変化が起こる.SalmonelllaなどのS→R変異はO多糖体の欠損により生じ,その変化により病原性も変化する.近年,種々の抗菌薬に対する耐性菌が数多く報告され,耐性株は薬剤感性の集落に比べて微小な集落形成をすることがある.BLNARに認められる微小集落の変化はPBP変異により起こるとされる.このような変異は今後も増加すると考えられ,PCRなどの遺伝子診断だけでは確認できないことがあり,集落形態をよく観察することが必要である.
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