グラフ
みなぎる創意—山口大学臨床病理部をたずねて
北村 元仕
1
1虎の門病院・生化学科
pp.201-208
発行日 1966年3月15日
Published Date 1966/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915913
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昭和40年11月臨床病理学会の帰路,私は宇部の山口大を訪ねた。15年前にわが国ではじめて臨床病理学教室をひらき,中央検査部の運営,血液スペクトルによる新らしい診断体系の創案,臨床病理専門医の養成,そして衛生検査技師学校の開校など,わが国臨床検査界につねに先駆者的存在としてのぞみ,その間にヘモグロビンMIWATEの発見など研究面においても国際的業績をあげたわれわれのメッカ山口大。
この臨床病理部を訪れた私の目的は,最近当部で完成したミニペットを中心とする超微量検査システム(本誌9巻8号に既報)の見学であるが,その動機は,ちかくこの教室が山口大の国立移管にともなって廃止される予定と聞いたからでもあった。主任の柴田進教授には「臨床病理学の発展と普及」の功により最近,中国新聞科学賞が授与され一般の認識もようやく高まりつつある痔,理想的に組織されたこの検査室が,なぜ,国立大学であるがゆえに解体されなければならないのであろうか。
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