今月の主題 内分泌疾患の検査
甲状腺ホルモン系
ホルモンの基礎値
T4/free T4(サイロキシン/フリーサイロキシン)
百渓 尚子
1
,
斎藤 一二三
1
1伊藤病院附属渋谷診療所内科
pp.2279-2281
発行日 1996年12月10日
Published Date 1996/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905798
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ポイント
●甲状腺から分泌されたT4は,大部分が蛋白結合し,微量の遊離型(FT4)が末梢組織の細胞内に入り,変換酵素の作用で遊離型T3(FT3)となって活性を発揮する.
●総T4濃度は結合蛋白濃度の影響を受けるので,FT4の値があれば測定は不要である.
●異常の局在,わずかな甲状腺ホルモン過不足を知るためには,TSHの測定が不可欠である.TSHとFT4が鏡像関係にない場合としては,中枢性の機能異常と甲状腺ホルモン不応症がある.
●患者血中に測定に干渉する物質が存在して,FT4が実際より高い値をとる場合がある.
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