特集 出血傾向のLaboratory Diagnosis
Ⅵ.出血性素因の新しい検査法と問題点
4.血小板の産生,崩壊に関する検査法
塚田 理康
1
1虎の門病院血液学科
pp.1410-1417
発行日 1980年11月1日
Published Date 1980/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915638
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骨髄の幹細胞から分化した骨髄巨核芽球は,細胞分裂を伴わないDNA合成によってDNA量を8〜64Nと増加させ,その大きさを増大させていく.次いで胞体の成熟が起こり骨髄巨核球となって血小板の産生が行われるようになる.ヒトにおける巨核球の成熟には恐らく4〜5日を要すると報告されている1)。巨核球の細胞質が分離してできた血小板は末梢血液中に一定期間出現した後,老化,消費あるいは破壊によって消失していく(図1).
単位時間内に末梢血液中に出現してくる血小板量(有効血小板産生量)と消失していく血小板量の均衡が保たれているときは,末梢血液中の血小板数は不変である.かかる状態においては,血小板産生量あるいは血小板消失量の一方を知ることにより,他方を推定することができる.
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