技術解説
血小板寿命検査
塚田 理康
1
,
斉藤 京子
2
1虎の門病院血液学科
2虎の門病院中央放射線部RI室
pp.944-950
発行日 1978年9月15日
Published Date 1978/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914859
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血小板も他の血液細胞と同様に,絶えず新生と破壊が繰り返されながら一定数を維持している.この動的平衡がくずれ破壊量が産生量を上回ると血小板数は減少し,産生量が破壊量をしのぐようになると血小板数は増加を示すことになる.赤血球の産生量が59Fe法,赤血球寿命が51Cr法により測定されると同様に,血小板の産生量,破壊量も一般にはアイソトープを用いて測定されている.
血小板産生量を直接測るものとしては,75Se-selenomethionine,35S-sulfate,35S-methionine,32P-sodium phosphateを静注して骨髄巨核球の細胞質を標識し,その細胞質から血小板が分離される際に血小板内に残った放射活性を,末梢血血小板を集めて測定する方法がある.この方法は血小板以外の血球,血漿タンパクも標識してしまうため,血小板寿命の著しく短い例,著しい巨核球低形成例では正確な値を得ることが難しい.また巨核球を標識する時間が血小板の平均寿命に比べて長いことなどの理由で,臨床検査としては用いられていない.
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