Japanese
English
研究
ヒト抗D,抗C抗体IgGによるリンパ球Fcレセプターの解析
Analysis for Lymphocyte Fc Receptor by Human Anti-D and Anti-C IgG Antibody.
上原 良雄
1
,
松葉 喬久
1
,
川 茂幸
2
Yoshio UEHARA
1
,
Takahisa MATSUBA
1
,
Shigeyuki KAWA
2
1長野県立木曾病院検査科
2長野県立木曽病院内科
1Dept. of Clinical Laboratory, Kenritsu Kiso Hospital, Nagano.
2Dept. of Inner Medicine, Kenritsu Kiso Hospital, Nagano.
pp.465-467
発行日 1980年4月15日
Published Date 1980/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915439
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目的
ヒト免疫グロブリンのFc部分に対するレセプター(Fcレセプター)は,各種細胞表面に存在することが知られている.その検出法も多く知られており,日常検査で最も普及した方法は,異種動物の血球をその血球に対する異種動物の抗体で感作して,ヒトリンパ球とロゼット形成を行うものである.ところがヒトのIgG Fc部分を用いた方法と,異種動物のIgGを用いた方法とでは測定の意義が異なるため,ヒトリンパ球IgG Fcレセプター解析には,ヒトIgGを用いる簡便な方法が望ましい。
現在ヒトIgGを用いた方法には,FITCラベルの熱変性ヒトIgG (aggregated human IgG)を用いる方法と1),Rh血清の一つであるRipleyの血清を使用して,ヒトリンパ球とロゼットを形成する方法とがある1,2).しかし前者は,一般の臨床検査室には余り普及していない落射型の螢光顕微鏡が必要であり,熱変性IgGのリンパ球表面への非特異的な吸着など,誤差要因が大である.また後者は普通特別な研究者以外Ripleyの血清の入手は困難であり,一般的でないなどの欠点がある.そのため,ヒトIgGによるFcレセプター解析の進展がみられないのが現況である.
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