特集 アレルギーと自己免疫
III.自己免疫疾患
2.自己免疫疾患の検査
5)自己抗体
(4)抗DNA抗体
金井 芳之
1
Yoshiyuki KANAI
1
1東京大学医科学研究所癌生物学研究部
pp.190-192
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900842
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■LE細胞の発見
いわゆる抗核抗体発見の発端は1948年,Hargravesらが全身性エリテマトーデス(SLE)患者の骨髄塗抹標本中にLE細胞を発見したことにある.LE細胞とは,血液採取後,壊れた細胞核にLE因子が反応し,細胞核が膨化しヘマトキシリン体となり,これを白血球が貧食した結果形成される細胞のことである.正常人の骨髄細胞とSLE患者の血漿を試験管内で保温してもLE細胞は形成されることから,LE細胞を形成する因子はSLE患者血漿中に存在すると考えられた.後の研究で本因子はIgG抗体で,これに対応する抗原はDNA-ヒストン複合体(ヌクレオソーム)であることが明らかにされた.
これを契機に,1960年に一本鎖(ss) DNAに対する抗体がSLE患者血清中に存在することが証明され,抗DNA抗体の種類が注目されるようになった.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.