臨床化学分析談話会より・77<東海支部>
試薬としての酵素に関心を持とう—中性脂肪測定の2酵素
高阪 彰
pp.170
発行日 1980年2月15日
Published Date 1980/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915378
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第166回の東海支部例会(1979.11.17)は名古屋市の鶴舞公園の近くにある名古屋通信ビルで100名以上の参会者を得て開催された.本年度支部例会活動の基本方針として,"疾病へのアプローチとその病因解析"と"新しい分析技術"を2本の柱とすることが企画委員会で決定されており,これまでに"遺伝性異常ヘモグロビン血症"柴田進(川崎医大),"トランスアミナーゼ活性測定の標準化"中山年正(虎の門病院),"免疫不全とその臨床"鳥届新平(名大),"Cryoglobulin"青木紀生(中京病院),"酵素アノマリーとその検索"菅野剛史(浜松医大),"分析機器に要求される精度"安部彰(岐大),鈴木信明(長瀬産業),"酵素法による尿酸測定をめぐって"影山信雄(中京病院),中根清司(名大)などが話題として取り上げられてきた.
今回のテーマは"新しい酵素的測定法を考える"シリーズの第1回目として"中性脂肪の測定に用いられる新しい酵素とその性質"を取り上げた.臨床化学分析に用いられる新しい酵素の開発は誠に目覚ましいものがあり,酵素的測定法が臨床化学分析の中心になりつつある状況であるが,それらの酵素も検査の現場ではキットの形で用いられることが多く,酵素そのものの性質については十分な情報が得られにくいのが現状である.しかし酵素を試薬として用いる以上,その試薬の性質をよく理解していなければ正確な検査分析はなしえないという考えから今回の企画が生まれた.
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