特集 免疫学的検査の進歩
Ⅲ.自己免疫疾患・アレルギー
甲状腺
越智 幸男
1
,
梶田 芳弘
2
,
宮崎 忠芳
2
,
吉村 学
2
,
八谷 孝
2
1滋賀医科大学・第2内科
2京都府立医科大学第2内科
pp.1192-1196
発行日 1979年11月1日
Published Date 1979/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915263
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甲状腺の代表的な自己免疫疾患の慢性甲状腺炎(橋本病)においては,抗甲状腺抗体がその病因に関与していることは周知の事実である.一方バセドウ病も血中に甲状腺刺激免疫グロブリンが存在するので,自己免疫疾患の観点から注目されている.前者は最終的に機能低下,後者は機能亢進症状を呈するが,その病態には体液性及び細胞性免疫が複雑に関与していると推定される.
橋本病の断診にはRoitt (1956)やWitebsky (1957)による抗サイログロブリン(TG)抗体の発見以後,沈降反応や赤血球凝集反応がこの抗体の証明に繁用されている.一方ミクロソーム(MC)に対する抗体も赤血球凝集反応や補体結合反応によって測定されている.その他螢光抗体法を用いる免疫学的検査法も試みられている.
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