特集 免疫学的検査の進歩
Ⅰ.免疫不全
免疫グロブリン
1.グロブリンの定量
櫻林 郁之介
1
,
榎本 博光
1
1自治医科大学・臨床病理
pp.1128-1132
発行日 1979年11月1日
Published Date 1979/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915246
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今日では血漿蛋白の分析は,病態解析のうえで重要な臨床検査となっている.セルロースアセテート膜などの支持体電気泳動法で,血漿蛋白の質的異常を発見すると同時に,量的異常を発見することも重要である.なかでも免疫グロブリンの定量はヒトの免疫機能を知るうえで,今日では重要な日常検査として広く普及している.
免疫グロブリンの定量法は表1のごとく大別される.このうちゲル内沈降反応では,一元放射免疫拡散法(SRID法)が最も簡便な方法として広く普及し,標識法は微量成分の定量に適し,IgEなどの定量法がある.また溶液内沈降反応には,抗原抗体沈降物の光散乱強度による比ろう法(ネフェロメトリー)があり,測定に利用する光束の違いによりレーザー比ろう法と螢光比ろう法がある.いずれの方法も自動化が可能なもので,免疫グロブリンの自動化測定法として注目されている.以下,これらの方法について概説する.
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