今月の主題 生理検査・1
技術解説
終夜睡眠脳波の記録と分析法
中沢 洋一
1
,
野中 健作
1
1久留米大学精神神経科
pp.451-456
発行日 1979年5月15日
Published Date 1979/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915090
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睡眠中の脳波が覚醒時のそれと異なっていることは,ヒトの脳波を発見したBergerが既に記載した.その後Loomisらによって,ヒトの自然睡眠の深さが脳波のパターンと対応することが観察された.しかし,一夜の睡眠の経過と脳波のパターンの対応を詳しく報告したのは,1953年にAserinskyとKleitmanがREM睡眠を発見した後,1957年に睡眠のポリグラフ的観察を報告したDementとKleitmanである.更にJouvetがREM睡眠中に抗重力筋の持続的な緊張消失が起こることを発見し,脳波,体制機能,自律機能などを睡眠中に同時記録する睡眠ポリグラフィーが広く行われるようになった.
本稿では1968年にAPSS (睡眠心理生理学会)でまとめられた"ヒトの睡眠段階に関する標準用語,技術,判定"(RechtschaffenとKalesの編著)を引用しながら,終夜睡眠脳波の記録と分析を解説する.なお,前記の本は清野茂博博士の翻訳で「睡眠脳波アトラス標準用語・手技・判定法」として医歯薬出版から出ている.終夜睡眠研究を志す者にとって必携の書である.
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