Laboratory Instrumentation
生体情報処理装置
西牟田 啓
1
1三栄測器(株)第1技術部
pp.1472-1475
発行日 1978年11月15日
Published Date 1978/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914953
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
医療の分野においてより良い健康管理,診断,治療のため多くの検査,研究を必要とし,大量のデータが生み出されている.生体情報処理の範囲を明確にすることは極めて困難であるが,1968年厚生省新医療技術研究の一環として行われた,"汎用医用電子計算機の性能およびサブルーチン,ライブラリ開発に関する調査結果集計報告"の処理対象別の参考分類によれば,①電気的現象(心電図,脳波,筋電図など),②音響,振動現象(心音図,心拍動図など),③循環器の圧力,流量(脈拍,血圧など),④呼吸器の圧力,流量(呼吸数,気圧曲線など),⑤その他の圧力,流量(消化器内圧,脳脊髄圧など),⑥温度(体表温度,器官温度など),⑦放射線関係(X線,キモグラフなど),⑧超音波計測データ像(Aスコープ,Bスコープなど),⑨その他の写真,光学像(血液の細胞成分,尿沈渣など),⑩その他の臨床検査(酸素飽和度,pHなど),⑪モデルまたはシミュレーション,に分類されている.
生体情報処理装置で考慮しなければならないものは,生体特有の性質である.一般に生体から得られる現象の性質は,①一過性のものが多く再現性に乏しい,②生体内で各種の生体現象が混合し,目的とするデータだけを得ることが難しい,③生体は順応,記憶,予測するなどの性質があり,一定条件でのデータを得ることが難しい,④個体差が大きい,などを挙げることができる.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.