技術解説
電子顕微鏡的酵素組織化学の手技と実際—加水分解酵素(Hydrolases)の証明法を中心に
矢島 美穂子
1
,
畑 俊夫
2
,
相原 薫
3
1日本医科大学中央電子顕微鏡室
2日本医科大学産婦人科
3日本医科大学・病理学,中央電子顕微鏡室
pp.1059-1068
発行日 1978年10月15日
Published Date 1978/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914889
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酵素組織化学とは酵素の細胞内局在あるいは酵素活性の動向から,細胞の機能を形態学的立場より捕らえようとする学問の分野である.近年電子顕微鏡の発達に伴い,従来の光学顕微鏡的立場に加えて更に微細なレベルで酵素の局在を把握できるようになり,臨床検査の面からもその重要性が注目されてきつつある.酵素は国際的な分類法では大きく6群に分けられ(表1),そのうち電顕的に証明できると報告されているものは80種以上にのぼる2).今回は比較的よく証明される酵素のうち加水分解酵素の幾つかについて,反応基質液の作り方を中心に解説することにする1〜5,11).なお光顕的証明法の詳細については他書1〜5)にゆだねるので,必要とあればこれらを参考にしてほしい.
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