編集者への手紙
簡便な髄液細胞採取方法(その2)
津田 芳見
1
,
二宮 恒夫
1
,
宮尾 益英
1
1徳島大学小児科
pp.781
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914814
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髄液中の細胞組成を調べることは,髄膜炎の鑑別診断に重要なことは言うまでもありません.最近我々は,他院の症例でありますが,広東住血線虫による好酸球性髄膜炎を経験しましたが,それに伴う簡便な髄液細胞採取法を考案しましたので報告します.
入院時,髄液細胞数が1394/3μlで,多核球が53%を占め,細菌性髄膜炎と診断された.抗生剤の投与が行われたが,入院6日後の髄液細胞数は2904/3μlと減少せず,やはり多核球が多いということであった.このときの髄液を利用して,前回報告した髄液細胞採取方法により細胞を採取し,ライト染色(武藤薬品製)を施し検鏡したところ,好酸球が62%見られた.すなわち,多核球のほとんどは好酸球であった.髄液とサムリン液を白血球メランジュールで混合し,フックスローゼンタール計算板上で髄液細胞数を算定すると同時に,髄液細胞組成がただ単に多核球が優位か,単核球が優位かの検討に終われば,診断を誤る危険性のあることを痛感した.
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