カラーグラフ
解説
赤木 正志
1
1八尾市立病院皮膚科
pp.356
発行日 1978年4月15日
Published Date 1978/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914714
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白癬の原因菌は単一なものではなく,白癬菌(Trich-ophyton),表皮菌(Epidermophyton),小胞子菌(Microspor-um)の3菌属に分類される.菌の性状や臨床像には互いに共通する類似性があるために,その症候は白癬・黄癬などと総称される.この菌群の侵襲する組織は皮膚及びその付属器に限られ,内臓まで侵襲することは余程の例外(例えば脳)であるから,それらは一括して皮膚糸状菌(dermatophytes)と言われる.
一般に白癬は浅在性白癬と深在性白癬に大別される.手足の汗疱状白癬や体部白癬や頑癬は前者であり,頭部白癬(特にケルスス禿瘡),白癬性毛瘡,白癬性肉芽腫などは真皮層にも変化が及ぶため深在性白癬として分類される.しかし浅・深の別には多少あいまいな面があり,深在性病型と言えども菌体が真皮層内に認められるとは言えず,むしろこれは反応性病型と言うべきであると言われる.また治療の難易からみても深在性病型は,浅在性と言われる足や爪の白癬より難治であるとは言い難い.
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