Ex Laboratorio Clinico・10
Nagao Isozymeの発見
中山 年正
1
,
北村 元仕
1
1虎の門病院生化学科
pp.1088-1093
発行日 1977年10月15日
Published Date 1977/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914501
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ALP分離の試行錯誤
血清アルカリホスファターゼ(ALP)のアイソザイムを検査室に導入しようとして,私たちは第一歩から難関にぶつかった.原著どおりの条件で実施しても分画がきれいに分離しないのである.文献によって,そのデータはかなりまちまちである.判じ物のようなパターンしか得られないデリケートな操作法では,長い検査室の風雪に耐えられるはずがない.
だれが,いつ,どこでやっても同じ成績が得られるようなALPアイソザイムの技術を作りあげなければならない.私たちがそう決意したのは1968年のことである.それまでに私たちはLDHアイソザイムの分画技術を作りあげた実績があった.だから取りかかりは容易だったのだが,ALPは手慣れたカンテン電気泳動でも簡単には分離してくれなかった.Polyvinylpyrrolidoneの添加で電気浸透を抑え,分離の見通しが立つまでには,長い試行錯誤を必要とした.それからもしかし,緩衝液の種類とpH,染色,すなわち酵素反応の定量性や感度などについても,一つ一つ吟味を重ねなければならなかった.
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