Japanese
English
一般演題
脳腫瘍の診断における乳酸脱水素酵素Isozyme
Diagnostic Value of LDH Isozyme Studies in Brain Tumors
千ケ崎 裕夫
1
,
高倉 公朋
1
,
佐野 圭司
1
,
島薗 順雄
2
Hiroo Chigasaki
1
,
Kintomo Takakura
1
,
Keiji Sano
1
,
Norio Shimazono
2
1東京大学医学部神経外科
2東京大学医学部生化学
1Dept. of Neurosurgery, Faculty of Med., Univ of Tokyo
2Dept. of Biochemistry, Faculty of Med., Univ. of Tokyo
pp.568-575
発行日 1965年9月25日
Published Date 1965/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904220
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はじめに
脳神経外科領域において脳腫瘍は最初にとりあげられた疾患であるが,今日でもなお最大の課題である。特にそれを早期に診断し,適切な治療を行なうことが最も重要であるのはいうまでもない。現在その診断法として,脳血管撮影,気脳撮影,脳波,アイソトープの応用等種々の検査を綜合し判断しているが,まだまだ完全十分なものであるとはいえない。脳腫瘍の診断の際に問題となることは,脳腫瘍の存在の有無,およびその局在の決定であるが,さらにできれば腫瘍の種類(病理組織学的診断)も術前に判明しておれば,術前の準備,手術法の決定,患者の予後の判断のさいにきわめて有益であると思われる。
著者らは脳神経学科領域の疾患の新しい診断法のひとつとして以前より血清中,髄液中の酵素活性値の変化に注目してきた1)。第1表は種々の中国枢神経疾患における血清および髄液中のtransaminase,すなわちglutamicoxalacetic transaminase(GOT)とglutamic pyruvictransaminase(GPT),および乳酸脱水素酵素lactic dehydrogenasel(LDH)の活性値を示したものである。
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