今月の主題 血小板・凝固・線溶系の分子マーカー
血管内皮細胞
刺激マーカー組織性プラスミノゲンアクチベーター
深尾 偉晴
1
,
松尾 理
1
Hideharu FUKAO
1
,
Osamu MATSUO
1
1近畿大学医学部第二生理学教室
キーワード:
血管内皮細胞
,
線溶系
,
刺激マーカー
,
t-PA
,
PAI
Keyword:
血管内皮細胞
,
線溶系
,
刺激マーカー
,
t-PA
,
PAI
pp.1637-1642
発行日 1989年11月15日
Published Date 1989/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914187
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血管内皮細胞は,血流に直接接触し,血液の線溶系(fibrinolytic system)に重要な機能を発現している.特に血管内皮細胞は各種の刺激に応答し,組織性プラスミノゲンアクチベーター(t—PA)の産生,分泌量を変動させて線溶系を調節している.さらに最近では,血管内皮細胞が生合成,分泌するプラスミノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)の線溶系への複雑な関与が注目されつつある.すなわち,血管内皮細胞の培養系に各種の刺激物質を加えることにより,培養液中へのt-PA,PAI分泌量の増加や減少がみられ,刺激物質によるt-PAやPAIの反応の違いから,内皮細胞の分泌機序が解明されつつある.
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