増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液検査
凝固/線溶系検査
t-PA(組織性プラスミノゲンアクチベーター)
上嶋 繁
1
,
松尾 理
1
1近畿大学医学部第2生理学
pp.333-335
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909851
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線溶系は,凝固系活性化の最終産物であるフィブリン(血栓)を溶解して,循環血液中よりこれを除去する生理的な機構である.フィブリンを溶解するのはプラスミンという酵素であるが,プラスミンは通常,その前駆体で酵素活性を持たないプラスミノゲンとして血液中に存在している.プラスミノゲンをプラスミンに活性化する酵素がプラスミノゲンアクチベーター(plasminogen activator:PA)である.
組織性プラスミノゲンアクチベーター(tissue-type plasminogen activator:t-PA)は,ヒトの血管内皮細胞から循環血液中に分泌されるフィブリン親和性を有するPAで,フィブリン(血栓)上でプラスミノゲンをプラスミンに活性化してフィブリンの溶解を促進する.
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