今月の主題 血小板・凝固・線溶系の分子マーカー
線溶
フィブリン・フィブリノゲン崩壊マーカーFPBβ15-42,FPBβ1-42
香川 和彦
1
,
立山 雅己
1
,
緇荘 和子
1
,
池松 正次郎
1
Kazuhiko KAGAWA
1
,
Masaki TATEYAMA
1
,
Kazuko KUROSOU
1
,
Shojiro IKEMATSU
1
1東京医科大学臨床病理学教室
キーワード:
FPBβ15-42
,
FPBβ1-42
,
フィブリン溶解現象
,
フィブリノゲン溶解現象
,
DIC
Keyword:
FPBβ15-42
,
FPBβ1-42
,
フィブリン溶解現象
,
フィブリノゲン溶解現象
,
DIC
pp.1631-1636
発行日 1989年11月15日
Published Date 1989/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914186
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ブイブリノゲンBβ鎖N末端にプラスミンが作用するとフィブリノペプチドBβ1-42が遊離し,トロンビンにより形成されたフィブリンにプラスミンが作用するとフィブリノペプチドBβ15-42が放出される.すなわち,線溶系分子マーカーとして,Bβ1-42はフィブリノゲン崩壊(一次線溶)を,Bβ15-42はフィブリン崩壊(二次線溶)を意味するものであり,これらの測定は線溶現象の解析に有用である.現時点ではBβ1-42はEIAで,Bβ15-42はEIAとRIAで測定され,RIAによるBβ15-42測定系では一次線溶と二次線溶を鑑別できないが,EIAによるBβ1-42,Bβ15-42測定系では互いに交差反応性をもたず,理論的には両者を鑑別しうると考えられる.
プラスミンによるフィブリノゲンおよびdes Aフィブリンモノマーの分解ではBβ1-42値は一過性に上昇し,その後Bβ15-42値が高値をとり,Bβ1-42測定はこれらのプラスミン分解初期をとらえることが確認された.
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