今月の主題 血中薬物濃度測定法の進歩
技術解説
循環器用薬
佐藤 友英
1
,
石川 康朗
1
Tomohide SATO
1
,
Yasuro ISHIKAWA
1
1帝京大学医学部第二内科学教室
pp.1459-1465
発行日 1988年11月15日
Published Date 1988/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913829
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循環器用薬の中では,ジギタリス製剤や抗不整脈剤の血中濃度モニタリングが臨床上行われており,健保の適用を受けている.これは,両剤とも治療域と中毒域が接近していたり,一部重なったりしていることや,過剰時に致死的な不整脈を引きおこすことがあるためである.
本稿では,現在最も血中濃度の測定が実施されているジギタリス製剤に的を絞って,血中濃度測定法の進歩,血中濃度測定の意義や問題点,さらにその臨床応用などについて,臨床サイドから解説を行った.
血中濃度の測定はきわめて有用であるが,近年操作をほぼ全自動化することによって試薬と検体の微量化と測定時間の短縮が図られている.これは大変よい傾向であるが,一方では高価なことが欠点である.血中濃度の測定が普及するためには,装置などを安価にする努力が希望される.
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