今月の主題 病原体抗原の免疫学的検査法
技術解説
B型肝炎ウイルス抗原の免疫学的検査
大堀 均
1
,
菅野 厚
2
,
角田 行
3
Hitoshi OHORI
1
,
Atsushi KANNO
2
,
Akira TSUNODA
3
1仙台市衛生試験所微生物検査課
2東北厚生年金病院内科
3仙台市衛生試験所
pp.762-769
発行日 1988年7月15日
Published Date 1988/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913688
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
HBVならびにHBV関連抗原について概説するとともに,その免疫学的検査法ならびに臨床的意義について述べた.①HBV (Dene粒子)は直径42nmの球形粒子で,表面にエンベロープ(HBs抗原),内部にコア構造を有す.コアの内部に,HBV DNAとDNAポリメラーゼが存在する.HBV DNAにはHBs抗原,HBc抗原(HBe抗原)などHBV関連抗原をつくり出す4つのopen reading frameがある.②血中HBs抗原・抗体,HBc抗原・抗体,HBe抗原・抗体の測定にはRPHA,PHA,RIA,EIAなどが用いられる.また,肝組織内ウイルス抗原も,蛍光抗体法や酵素抗体法を用いて検出可能である.③HBV感染症におけるHBe抗原・抗体系のもつ意味は大きく,HBe抗原はウイルス増殖ならびに肝炎の進行と深くかかわっている.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.