今月の主題 ウイルス肝炎のトピックス
肝炎ウイルスの本態
非A非B型肝炎ウイルスおよび関連抗原抗体系
藤松 順一
1
,
志方 俊夫
2
Jun-ichi TOHMATSU
1
,
Toshio SHIKATA
2
1エーザイ株式会社・免疫研究所
2日本大学医学部病理学
pp.1514-1515
発行日 1981年9月10日
Published Date 1981/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217309
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ヒトのウイルス性肝炎のうちA型肝炎およびB型肝炎については,それぞれ肝炎ウイルスが分離され,高感度の免疫血清学的診断法の確立により確定診断が可能となり,さらには予防ワクチンの導入も間近となった.一方非A非B型肝炎は,現在輸血後肝炎の約90%以上,また散発性の急性ウイルス性肝炎の約50%を占め,慢性化率も高いことが知られている.しかしながら病因ウイルス本体の物理化学的性状,および免疫血清学的診断法は多くの研究者が激しい競争をくり広げているにもかかわらず,まだ明らかになっていない.
本稿では,チンパンジー実験を中心とした非A非B型肝炎ウイルスに関する研究,およびその関連抗原抗体系に関する研究の現状を紹介する.
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