今月の主題 心電図の最前線
病態解説
頻脈性不整脈はなぜ起こるか
須山 和弘
1
,
大江 透
1
Kazuhiro SUYAMA
1
,
Tohru OHE
1
1国立循環器病センター内科(心臓部門)
pp.534-538
発行日 1988年5月15日
Published Date 1988/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913648
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
不整脈とは,正常の規則正しい洞調律から逸脱した状態であり,大きく頻脈性不整脈と徐脈性不整脈に分類できる.不整脈の発生機序は,①興奮生成の異常,②興奮伝導の異常,③その両者の組合せ,の3つに区別できる.興奮生成の異常としては,自動能の異常(生理的自動能の異常,異常自動能),triggered activityがある.興奮伝導の異常としては,reentry (リエントリー),reflection (リフレクション)などがある.頻脈性不整脈の発生には,それらが複雑に絡み合っている.臨床上の不整脈の多くは,リエントリーに基づいていると考えられ,また,機序の解明も他の機序に比べて最も進んでいる.しかし,その他の機序に基づくと考えられる重要な不整脈が存在することも言うまでもない.不整脈の発生機序に関しては,不明な点も多数存在し,今後の検討が期待される.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.