センサの応用・6
ガスセンサの応用
山本 克之
1
Katsuyuki YAMAMOTO
1
1北海道大学工学部生体工学
pp.1497-1502
発行日 1987年11月15日
Published Date 1987/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913513
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
生体におけるガス濃度計測は,その多くが呼吸に関連したものである.呼気や血液のO2,CO2計測がその代表的なものであり,肺機能検査ではHe,N2などの不活性ガスも計測されるし,さらにハロセン,笑気などの麻酔ガス計測と,多種のガスが呼吸に関連した計測対象となる.本稿では,これらの中でも生命の営みに直接関係し,もっともよく計測の行われるO2とCO2に対象を絞り,センサの原理と,呼気,血液,組織の各レベルにおけるガス計測の現状について概観したい.
ガスセンサに関しては,従来からの検体を採取し分析する方法から,生体に装着したり生体内に挿入したりしてin vivoで連続的に計測する手法の開発研究が盛んである.連続計測法はICUやRCUにおける患者監視に応用されているし,また,呼吸の自動管理や人工臓器の制御など,より高度なシステムを構築するには連続計測が不可欠となってくる.このようなセンサは精度,応答性といった計測にかかわる基本的な要件を満たすのみならず,小型である,生体適合性がよい,ディスポーザブルである,できうれば無侵襲であるなど,技術的にはかなり厳しい制約を受ける.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.