今月の主題 酵素結合性免疫グロブリン
技術解説
アフィニティー電気泳動法による検出
服部 幸夫
1
Yukio HATTORI
1
1山口大学医学部臨床検査医学教室
pp.825-829
発行日 1987年8月15日
Published Date 1987/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913380
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ポリアクリルアミドゲル電気泳動法は酵素—免疫グロブリンの分離に優れているが,この支持体中に抗血清を少し加えて泳動するだけで,酵素—免疫グロブリンは著しい遅延を起こす.これは酵素に結合した免疫グロブリンに特異的な抗血清を入れた時のみに生じるので,遅延の有無によって免疫グロブリン複合体の存在とそのアイソタイプを決定することができる.電気泳動的制約上,アルカリホスファターゼー免疫グロブリン複合体(ALP-lg)に応用され,ALP-lgG(λ),ALP-lgG(κ,λ)などが同定されうる.手技がやや繁雑で,抗血清の量が少なくない,などの問題はあるが,感度は高く,通常の泳動法では重なるALP-lgG(κ)とALP-lgG(λ)が泳動帯として分離されるなど,興味ある情報を提供してくれる.
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