特集 先端技術と臨床検査
Ⅲフローサイトメトリー
1フローサイトメトリーと細胞動態
高橋 学
1
Manabu TAKAHASHI
1
1山口大学医学部第二病理学教室
pp.1258-1265
発行日 1986年11月1日
Published Date 1986/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913133
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●はじめに
フローサイトメーターは,いわば光学的データの電算機入力装置であり,個々の細胞(あるいは染色体や微生物)の定量的データを,電子機器の速度と精度でもって収録し,その分布を見ることを可能とした.また,セル・ソーターは,目的の細胞を分取するための装置で,フローサイトメーターを母体として生まれたものである.
医学の進歩は,<形をみる技術>により支えられている,顕微鏡・レントゲン・CT・エコー・内視鏡などが,その例である.一方,生化学の進歩は,クロマトグラフィー・電気泳動・超遠沈など,<物質分離の技術>によって支えられている.フローサイトメーターは<細胞集団顕微鏡>であり,セル・ソーターは<細胞分取装置>である.そうして,新しい細胞学の領域を切り拓きつつある.
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