今月の主題 病院内感染防止のための細菌検査
検査と疾患—その動きと考え方・115
白血病の治療と感染症
柴田 弘俊
1
Hirotoshi SHIBATA
1
1大阪府立成人病センター臨床検査科
pp.1105-1111
発行日 1986年10月15日
Published Date 1986/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913092
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はじめに
白血病では高頻度に感染症の合併がみられ,特に急性白血病の寛解導入療法中では,抗白血病剤の多剤併用療法により,好中球の減少する時期に一致して重症の感染症が合併する.そしてこの感染症が現在でもなお高い死亡率を示し,出血死とならんで白血病の治療の最大の障害となっている.白血病の治療に当たる医師は抗白血病剤による治療と同等の努力を感染症対策に対しても払う必要があると思われる.本文では急性白血病に合併する感染症の特徴を検討し,その治療とその予防法につき述べる.また白血病の根治療法としての骨髄移植における感染症についても述べる.
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