今月の主題 生体リズム
生体リズム
男性におけるLH-テストステロン系およびACTH-コルチゾール系の概日リズム
山中 英寿
1
,
今井 強一
1
,
真下 透
1
Hidetoshi YAMANAKA
1
,
Kyoichi IMAI
1
,
Toru MASHITA
1
1群馬大学医学部泌尿器科学教室
pp.831-834
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913032
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1.はじめに
すべての生物は,活動と静止を繰り返しながら生命現象を営んでいる.生命活動の重要な現れの一つであるホルモンの分泌もまた,活動と静止を短い時間の間隔をもって繰り返している.すなわち,pulsatile secretionと呼ばれる間隔的な短時間の分泌を繰り返している.このpulsatile secretionは24時間を通じて一様ではなく,群発する時間帯と稀発する時間帯とがあり,血中半減期との関係より,ホルモン血中濃度はスパイク状の変動を示しつつ日内変動を示すようになる。この概日リズム(circadian rhythm)の大きな特長は睡眠・覚醒リズムと深い関連を持ち,一定の位相関係を持っていることである.近年,ラジオイムノアッセイ法による感度と特異性の高いホルモン測定法が可能となり,24時間を通じての血中ホルモン動態の検討が詳細に行われるようになった.本稿においては,ステロイドホルモンのうち,テストステロンとコルチゾールについてヒト男性にみられる概日リズムについて述べる.これらホルモンの分泌は上位中枢である視床下部―下垂体よりの刺激ホルモン(LHおよびACTH)により調節されている.さらに刺激ホルモンの分泌は,これら当該ホルモンにより,フィードバック機序により調節されている.
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