Japanese
English
研究
血友病患者における血清グアナーゼ活性の検討
Studies on Serum Guanase Activity in Haemophiliacs
大久保 進
1
,
安永 幸二郎
1
,
森 敏子
2
,
石田 萠子
2
Susumu OKUBO
1
,
Kojiro YASUNAGA
1
,
Toshiko MORI
2
,
Tomoko ISHIDA
2
1関西医科大学第1内科
2関西医科大学附属病院輸血部
1The First Dept. of Internal Medicine, Kansai Medical Univ.
2Blood Transfusion Unit, Kansai Medical Univ. Hospital
pp.409-412
発行日 1986年4月15日
Published Date 1986/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912933
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はじめに
血友病患者の止血管理には,欠乏凝固因子を補う補充療法は欠かせないものであるが,その重要な合併症の一つに肝炎が挙げられる.中でも,肝炎BウイルスによるB型肝炎については感染率が高く,その頻度は74〜100%である1).しかし近年は,このウイルスの検出法の進歩と,その普及により,感染率は低下する傾向にある.一方,血友病患者の慢性肝機能障害の原因として,肝炎Bウイルス以外に,輸血後肝炎の場合と同様に,非A非Bウイルスの可能性も十分に考えられる.しかし,このウイルスの分離,同定にはまだ成功しておらず,また非A非B型肝炎の特異的診断法も一般化していないことから,血友病患者におけるその実態は必ずしも十分に明らかであるとは言えない.ところが,肝臓に比較的特異な酵素で,肝障害時に上昇を示す血清グアナーゼ(グアニンデアミナーゼ)の活性を測定することが,これまでのGOT,GPTでは確認できなかった潜在性の非A非B型肝炎の検出方法として有用である可能性が指摘されている2,3).
そこで,血友病患者の肝障害における非A非B型肝炎の関与を検討する目的で,グアナーゼ活性を測定した.
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