編集者への手紙
リンパ球マーカーのためのトリプルスメアの作製とABC法による染色
宇野 重行
1
,
安田 典正
2
,
田蔦 政郎
3
1京都市立病院臨床検査科
2京都市立病院内科
3京都大学医学部第1内科学教室
pp.1099-1101
発行日 1985年9月15日
Published Date 1985/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912675
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1.はじめに
近年,モノクローナル抗体が簡単に入手できるようになり,血液学の領域においても,リンパ球のサブセット解析から白血病や悪性リンパ腫の診断にと,その利用は広まってきている.モノクローナル抗体を用いたリンパ球膜抗原の検出には蛍光抗体法,酵素抗体法,RIA法,細胞障害試験と多くの検査法がある.しかし設備,経済性,操作の煩雑さなどの点で,検査室で行う検査としてかなり問題が多く,広く普及するに至っていないのが現状である.
これらの検査法のうち,塗抹標本(スメア)による酵素抗体法は感度,特異性ともに高く,さらに細胞形態を合わせて観察でき,標本の保存が可能である,などの利点を持っている.今回,酸素抗体法を効率良く行うためのスメア作製器具を開発し,酵素抗体法の一つであるABC (avidin-biotinylated peroxidase complex)法1)を用いて,末梢血リンパ球サブセットについて検討を行った.
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