今月の主題 まちがいやすいGram陽性菌の同定法
座談会
好気条件で発育するGram陽性菌の分類・同定の現状と問題点
江崎 孝行
1
,
東堤 稔
2
,
矢野 郁也
3
,
藪内 英子
4
1岐阜大学医学部微生物学教室
2(財)阪大微生物病研究会臨床検査部
3新潟大学医学部細菌学教室
4岐阜大学医学部微生物学教室
pp.422-432
発行日 1985年4月15日
Published Date 1985/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912543
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炭疽,ジフテリア,破傷風,産褥熱などの原因菌はいずれも1800年代の終わり頃に発見され,その病原性が確認されたGram陽性菌である.その後約100年を経た今日,Gram陽性型の細胞壁をもつ細菌は,放線菌とその類縁菌を含めて,Firmicutes門として原核生物界の最上位の分類群となった.しかし,その内部の分類には多くの問題点があり,したがって患者由来株の同定に難渋することもしばしばである.このような点を踏まえて,好気条件で発育するGram陽性菌の分類の現状と分離菌株同定の手がかりについて話し合っていただく.
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