今月の主題 まちがいやすいGram陽性菌の同定法
技術解説
Listeria,Corynebacteriumおよびその周辺のGram陽性桿菌の同定法
永井 龍夫
1
Tatsuo NAGAI
1
1札幌中央検査センター
pp.373-380
発行日 1985年4月15日
Published Date 1985/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912538
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現在,感染症患者から分離検出される病原菌の大半はGram陰性桿菌で,Gram陽性球菌がこれに次ぎ,Gram陰性球菌やGram陽性桿菌は比較的少ない.
Gram陽性桿菌の中でClostridium属は偏性嫌気性菌であり,またMycobacterium属は抗酸性菌でどちらも菌の基本的性状が特徴的だから比較的容易に鑑別ができる.そのほかのヒトに病原性を示すGram陽性桿菌としてはListeria,Corynebacterium,Erysipelothrixなどがあり,これらの中には常在菌も存在するので,実際臨床細菌検査室では鑑別同定にとまどう場合も十分にありうる.
筆者は1958年以来,グラム陽性桿菌の一つであるリステリア菌(L癖6磁monocytogenes)の検査(同定確認と血清型の決定)を行ってきている立場から,リステリア菌を中心にその周辺のGram陽性桿菌について解説することとする.
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