特集 産業医学と臨床検査
Ⅲ.産業医学に用いられる機能検査
6 視覚機能検査
栗本 晋二
1
Shinji KURIMOTO
1
1産業医科大学眼科学教室
pp.1501-1503
発行日 1984年11月1日
Published Date 1984/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912406
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□産業医学における視覚障害
従来,産業医学上で問題になっている視覚障害は,第一に,業務上の負傷または異物の侵入,残留による眼疾患である.例えば,旋盤使用者の角膜鉄粉異物,眼内鉄片異物による外傷性白内障,眼鉄錆症や動力草刈り機による眼内出血,眼球破裂などである1).
第二は,物理的因子による疾病である.例えば,アーク溶接やガス溶接,水銀灯など特殊電球による紫外線にさらされる業務に従事する者に起こる電気性眼炎,製鉄,ガラスなどの炉前作業など赤外線にさらされる業務による白内障,網膜火傷や,眼科手術(光凝固手術),分光分析作業などアルゴンやYAGレーザー光線にさらされる業務による網膜火傷,マイクロ波による白内障,X線などの電離放射線による白内障,可視光線,例えば太陽光線による日食性網膜炎などが問題となっている2).
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