特集 産業医学と臨床検査
Ⅲ.産業医学に用いられる機能検査
5 神経機能検査
村井 由之
1
Yoshiyuki MURAI
1
1産業医科大学神経内科学教室
pp.1497-1500
発行日 1984年11月1日
Published Date 1984/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912405
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□はじめに
産業医学の領域における神経系の障害は,主として脳を侵す場合と,末梢神経系を侵す場合に大別することができる.しかし,その両者をともに侵すものや,症候に対する責任病巣が神経系のどの部分にあるのか,いまだはっきりしていないものもある.神経系の機能検査を行うに当たってまず問題となることは,神経系のどの部分を検査するかということ,およびどの検査法を行うかということである.
脳の検査法としては,脳波(electroencephalogra-phy)とCT (conputerized tomography),末梢神経系の機能検査法としては神経伝導検査(nerve conduc-tion study)と筋電図(electromyography)がある.体性感覚系の全体を末梢から中枢にかけて検査する方法として,体性感覚誘発電位(somatosensory evokedpotential)がある.本稿では,これらの検査法の適応,意義,所見の見かた,考えかた,治療との関係などについて述べる.検査の具体的な方法については,特に注意を要する点についてのみ述べるにとどめる.
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