資料
市販Tリンパ球サブセット測定用モノクローナル抗体の特異性および力価の比較検討
原 昭典
1
,
大久保 慶二
2
,
横山 三男
2
1(株)日本医学研究所
2久留米大学医学部免疫学教室
pp.1094-1098
発行日 1984年9月15日
Published Date 1984/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912300
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はじめに
ヒトの末梢血リンパ球サブセットの測定にはヒツジ赤血球(E)および感作ウシ赤血球(EAおよびEAC)とリンパ球とのロゼット形成法が用いられていたが,現在では,細胞融合法により作製された,リンパ球を特異的に認識するモノクローナル抗体を用い1),蛍光抗体法でリンパ球を分類し,それらの細胞の出現率を求めることができるようになった.さらに,リンパ球のサブセットならびに分化段階を特異的に認識するモノクローナル抗体が開発され2,リンパ球の免疫学的な分類や動態を知るモニターとして広く臨床に応用されるようになった3〜6).
リンパ球膜抗原を蛍光抗体法で検索する方法としては,蛍光顕微鏡を用いるこれまでの方法に代わって,微量の全血を被検サンプルとして,迅速かつ精度良く解析できるレーザーフローサイトメトリーが開発され7),再現性も高いことから臨床検査に用いられるようになった.しかし,市販されているモノクローナル抗体は,各施設で異なるメーカーの製品が使用され,このため使用条件,精度管理および測定値に対する評価が必ずしも共通でなく,正常値も各施設で異なり,検査結果についての比較が困難である.
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