今月の主題 呼吸と循環(生理検査)
技術解説
RI心プールスキャンによる右心機能の評価
桂川 茂彦
1
,
高橋 恒男
1
Shigehiko KATSURAGAWA
1
,
Tsuneo TAKAHASHI
1
1岩手医科大学放射線医学教室
pp.373-379
発行日 1984年4月15日
Published Date 1984/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912162
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年,右心機能の本質が徐々に明らかとなるに従い,各種心疾患および肺疾患などにおける右心機能に関心が集まってきているが,基本的な計測である右室容量の算出は,その解剖学的特異性のために,これまで困難とされてきた.しかし,99mTc標識ヒト血清アルブミンあるいは99mTc標識赤血球をRIトレーサーとして用いた心プールスキャン法は,プール血液量に比例したカウント数が得られるため,複雑な形態を有した右室容量の算出には有効な手段となる.
ここではRI心プールスキャン法を右心機能の評価に適用する場合の基本的装置,心プール用放射性医薬品,データ収集の実際およびコンピューターを利用した右室駆出分画の算出法を述べ,さらに刺激伝導系異常の客観的評価に多大な成果をあげている位相解析法を解説し,最後にこれらを適用した臨床例を紹介する.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.