特集 臨床細菌検査
Ⅲ.疾患別検査の進め方
16.手術後感染
中山 一誠
1
,
秋枝 洋三
1
,
川口 広
1
1日本大学医学部第三外科
pp.1365-1368
発行日 1983年11月1日
Published Date 1983/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912034
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外科手術は,その程度により,概念的に無菌手術,準無菌手術,および汚染手術と大きく三つに古くより分類されている.それぞれの手術方法も単純な手術より複雑な手術まで当然のことながら種々であり,術後感染の発生頻度も異なる.無菌手術でさえ,術後感染を4%以下に留めることは不可能との専門家の一致した意見であり,その理由に関しては多くの議論がある.準無菌手術に生ずる術後感染率は10%前後と考えられている.さらに汚染手術にいたっては術後感染の頻度は30〜35%とされており,感染症の種類にいたってはすべての感染症が含まれるといっても過言ではない(図,表1).以下手術後感染の中でも膿汁を中心に述べる.
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