特集 臨床細菌検査
Ⅲ.疾患別検査の進め方
7.皮膚
朝田 康夫
1
,
西嶋 摂子
1
1関西医科大学皮膚科
pp.1289-1294
発行日 1983年11月1日
Published Date 1983/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912025
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皮膚細菌感染症の大半は膿皮症である.これは毛包炎,癤,よう,尋常性毛瘡,汗口炎,乳幼児多発性汗腺膿瘍(エックリン汗腺炎),伝染性膿痂疹,SSSS,膿瘡,丹毒,梶紅熱,リンパ管炎,リンパ節炎,蜂巣織炎などを含み,その起炎菌はブドウ球菌とレンサ球菌(これらを化膿球菌と呼ぶ)の二つである.ブドウ球菌の中でも殊に黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)による場合が多い.
次いで多いのはグラム陰性桿菌症で,中でも緑膿菌感染症が多く,さらに大腸菌やプロテウス菌,まれにはセラチアなども挙げられる.これらは大半はoppor-tunistic infectionとして生ずる.特殊な場合としては皮膚結核,皮膚非定型抗酸菌感染症,癩などのミコバクテリアによる感染症がある.
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