今月の主題 神経・筋〈生理検査〉
技術解説
生理的振戦の計測とそのモデル
渡辺 瞭
1
Akira WATANABE
1
1東京大学医学部医用電子研究施設 医用基礎工学部門
pp.1102-1107
発行日 1983年10月15日
Published Date 1983/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911990
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振戦には生理的振戦と病的振戦とがあり,いずれの場合も振動振幅が大きくなると,不随意運動として円滑な日常動作を妨げる.振戦の研究の歴史は長く数十年にわたるが,その特性の多様さ,複雑さのため生理学的には未知の点が多い.しかし,振戦の計測,処理については,最近の電子工学の発達により,小型,高感度の加速度センサーが利用できるし,周波数分析もデータ処理装置を使って容易に行えるようになった.その発生機構については,力学的振動,反射由来の振動,中枢由来の振動の三つのモデルが提案されており,実験的に種々の検討がなされて,運動制御機構との関連性が少しずつ解明されてきている.
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