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レーザーフローサイトメトリーによるT細胞サブセットの自動解析
伊藤 喜久
1
,
原田 弘智
1
,
河合 忠
1
,
中野 康平
2
1自治医科大学臨床病理学教室
2自治医科大学医動物学教室
pp.817-820
発行日 1983年7月15日
Published Date 1983/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911922
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Schlossman, Reinkergらの一派により確立されたヒトT細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体(OKTシリーズ)の登場1)は,T細胞の機能,成熟分化の詳細な解析を可能にし,臨床医学においても免疫異常症の診断,予後,治療の判定などに広く応用されている.従来,これらのモノクローナル抗体を用いたT細胞表面抗原の解析は,全血より比重遠心法によりリンパ球を分離して,さらに間接蛍光抗体法や補体依存性細胞障害活性法などにより分析が行われてきた.しかしながらこれらの方法は採血量も多く,操作も煩雑で時間を要し,その判定においては再現性に乏しく,得られたデータの信頼性が低い場合も少なくない.
最近Ortho社より,レーザーフローサイトメトリー法による新しい細胞自動解析装置(Spectrum Ⅲ)が開発された.この機器は,全血100μlで,きわめて簡単な操作法で短時間にT細胞サブセットの解析が可能な画期的なシステムである.著者らは,OKTシリーズの抗体を用いてこの装置の基礎測定条件の設定を行い,さらに臨床的応用を試みたので以下に報告する.
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