資料
EIA法による血清AFP濃度の測定—RIA法との比較を中心に
坂田 達朗
1
,
渡辺 明治
1
,
長島 秀夫
1
1岡山大学医学部第一内科学教室
pp.215-218
発行日 1983年2月15日
Published Date 1983/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911803
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肝細胞癌を含む各種の肝疾患67例と健常対照34例の血清α-フェトプロテイン(AFP)濃度を,ペルオキシダーゼ結合抗AFP抗体を用いる固相酵素免疫測定法によるエンザイムイムノアッセイ(EIA)法とラジオイムノアッセイ(RIA)法の二抗体法,ならびにポリエチレングリコール(PEG)法で測定し,両測定法の感度や精度について比較検討した.EIA法による血清AFPの最小検出濃度は5ng/mlで,RIA法のそれと大きな相違はみられなかった.また,本法での再現性は変異係数4〜9%,回収率94〜99%と良好であり,この点でもEIA法はRIA法に劣らなかった.同一血清を用いた両方法による測定値は,10ng/ml以上の濃度域でγ=0.981ときわめて高い相関を示し,EIA法による血清AFP濃度測定は,感度と精度の面でRIA法に比肩しうるものと考えられた.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.