資料
免疫沈降阻止反応によるフェノバルビタール及びフェニトイン測定法の検討
河合 忠
1
,
太田 抜徳
1
,
村上 聖果
1
,
西川 隆
2
,
鉢村 和男
2
,
仁科 甫啓
3
,
海老原 妙子
3
,
西原 カズヨ
4
,
幸田 幸直
4
,
斉藤 侑也
4
,
植松 文江
5
,
小笠 三千代
5
,
照井 晶子
5
,
高橋 里恵子
5
,
平井 智子
6
,
芳賀 直美
6
,
水野 映二
6
,
中 甫
6
1自治医科大学病院臨床病理部
2北里大学臨床病理学
3虎の門病院臨床化学部
4東京大学病院薬剤部
5東京女子医科大学小児科
6三井記念病院中央検査部
pp.686-690
発行日 1981年6月15日
Published Date 1981/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911265
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はじめに
近年,血中薬物濃度の測定法が進歩し,その臨床的意義が注目されている.その中でも,抗てんかん薬,特に最も繁用されているフェノバルビタール(phenobarbital;PB)及びフェニトイン(phcnytoin;PHT)の投与に当たっては,治療量の個人差が大きく,過剰投与による中毒症状を来す中毒量との差が小さいため,血中の薬物濃度を頻繁に測定する必要がある1,2).多くの抗てんかん薬の効果はその血中濃度と関連があることが確認されているため,我が国においてもPB及びPHTの測定が広く行われるようになった3,4).
体液中濃度測定法としては,紫外部吸光光度法(UV法5)),ガスクロマトグラフ法(GLC法),高速液体クロマトグラフ法(HPLC法),ホモジニアス・エンザイムイムノアッセイ法(EMIT®法,Syva),不溶化抗体によるエンザイムイムノアッセイ法(MARKIT®法,大日本製薬),ラジオイムノアッセイ法(RIA法),免疫沈降阻止反応による方法(IPIT法)などが報告されている.特に,臨床的には簡便性と迅速性が重要視されるために,それらの条件を満たす方法.として,EMIT法が広く用いられているのが現状である.
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