Nursing Study・38
赤血球沈降反応測定法の研究
中田 惠美子
1
,
山根 淑子
1
,
水川 洋子
1
1京都市立看護短期大学
pp.13-15
発行日 1958年11月15日
Published Date 1958/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910724
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Ⅰ.実験の動機
私達は日常臨床で多数の赤血球沈降速度〔以下血沈値と呼ぶ〕の測定を行い,患者によつて正常値の範囲内の値を示すもの,あるいは非常に促進した値を示すもの等が見られている。私達はこれらの患者を注意して観察している中に貧血状態にある患者の血沈値が常に異常に促進していることに気付いたので文献により調べた結果,血漿中の蛋白質の量及び組成の変化,殊にフイブリノーゲンの増加した時,また赤血球数の減少及びその形態に変化がある時には血沈値が促進すること,またその他月経,食餌の摂取,運動等も血沈値に影響を与え,更に血沈値を測定するときの室内温度,血沈棒に与えた傾斜角度もまた大いに血沈値に影響することを知つた。私達はこれらの各件の中で赤血球数の減少及び血沈棒に与えた傾斜角度がどのくらい血沈値に影響を及ぼすかについて実験することにし,更に1時間値,2時間値より算出している中間値の信頼性についても併せて検討した。
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