今月の主題 筋疾患
技術解説
末梢神経伝導速度
進藤 政臣
1
,
柳沢 信夫
1
1信州大学第3内科
pp.269-280
発行日 1981年3月15日
Published Date 1981/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911178
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運動神経伝導速度(MCV)及び感覚神経伝導速度(SCV)は,末梢神経機能を客観的かつ定量的に把握できる検査法として,臨床診断上しばしば用いられる.末梢神経には多くの種類の神経線維が混在するが,MCV,SCVはこの中でも直径が太く,伝導速度の早い神経線維の機能をみるものである.直径が細く伝導速度の遅い神経線維については微小電極などを用いて研究はされているが,臨床応用の段階には至っていない.
検査法は,MCVは末梢運動神経を電気刺激して引き起こされる筋の活動電位(M波)を利用して行い(誘発筋電図),SCVは末梢感覚神経を刺激して直接神経の活動電位を記録して求める(誘発神経電図).これらは比較的簡単な方法ではあるが,検査手技や検査条件,測定値の判定,意味づけなどには多少の注意が必要で,以下本文ではこれらの諸点につき解説する.
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