今月の主題 リンフォカイン
技術解説
プロテインAとStaphylococcus aureus Cowan I株によるリンパ球検査法及びその応用
河合 忠
1
,
伊藤 喜久
1
,
笠原 忠
2
1自治医科大学臨床病理学
2自治医科大学医動物学
pp.20-27
発行日 1981年1月15日
Published Date 1981/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911123
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プロテインAは,Staphylococcus aureusのほとんどの菌株の菌体細胞壁表面にペプチドグリカンと結合して存在する分子量42,000の蛋白質である1).この蛋白質は,免疫グロブリン特にIgGのFc部分との結合性を有することから2),血中免疫複合体の測定3),IgGの精製4),プロテインA感作ヒツジ赤血球による表面IgG保有細胞の検出などに広く応用されている5).
Forsgrenらは,プロテインAを菌体表面に豊富に保有するStaphylococcus aureus Cowan I株菌体(不溶性プロテインA:SpA CoI)がT細胞非依存性のB細胞に特異的なマイトジェンであることを示し6),Mollerらは免疫グロブリン産生の強力な多クローン性B細胞活性化因子であることをプラック測定により証明し7),B細胞機能検定のための有力なマイトジェンとしての道を開いた.一方,菌体より精製された可溶性プロテインA(プロテインA)はT・B細胞協力により,T,B細胞両方を刺激することが示されている8).
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