今月の主題 リンフォカイン
技術解説
リンフォトキシンの検査
伊藤 忠一
1
1岩手医科大学,中央臨床検査
pp.15-19
発行日 1981年1月15日
Published Date 1981/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911122
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リンパ球を介して起こる免疫反応としての標的細胞傷害現象には,少なくとも5種類あることが現在までに知られている.すなわち,①キラー(killer) T細胞(TK)または細胞傷害リンパ球(cytotoxic lym-phocyte;TC)による直接標的細胞傷害,②抗体依存性リンパ球介在性細胞傷害(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity;ADCC).これに関与するリンパ球はIgGのFc部分に対する受容体を担うリンパ球でK細胞と総称されているが,大部分のB細胞とT細胞の一部分がこれに属する,③natural killer細胞(NK細胞)による細胞傷害,④感作リンパ球より遊離される特異マクロファージ武装因子(specific macrophage arming factor;SMAF)あるいはマクロファージ活性化因子(ma-crophage activating factor;MAF)によって活性化される"armed"あるいは"activated"マクロファージによる細胞傷害,⑤感作リンパ球より遊離されるLTによる傷害,である.
感作リンパ球を感作に用いた抗原とともに培養すると,リンパ球は形態的に幼若化すると同時に各種の生物学的活性を持つ可溶性物質を合成し遊離する.
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