特集 臨床検査室マニュアル
Ⅰ.検査室の設計
設備D 物品搬送の自動化
中野 明
1
1大阪市立大学工学部建築学科
pp.1145-1149
発行日 1976年11月1日
Published Date 1976/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909532
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最近,我が国においても,病院への搬送設備導入についての関心が高くなりつつある.といっても欧米のそれと比べて,まだまだ立ち後れの感があるのはいなめないであろう.搬送の自動化問題を単なる"設備"の問題として扱ってきた従来の方向からはそろそろ脱却してもよいのではないだろうか.搬送設備導入の目的が,人件費の節減にあったり,看護婦不足を背景とした人手の節減にある間は,まだまだ本格的な搬送の自動化時代はやってきそうにない.搬送の自動化問題は医療の高度化・システム化の一部をなすものであり,心電図自動解析システムなどのように,患者の病状などを迅速かつ正確に把握し,診療水準を直接向上させることを目的とする医療実施システムや,検査部・薬局などの各部門において,機能の能率向上と省力化を計ることを目的とする機械化システムや,コンピューターを中心とした総合予約システム・病歴管理システムなどの,患者の属性・病歴・診療記録などの掌握や病状の監視などを合理化し,患者サービスを向上させるのを目的とする病院情報システムとともに,病院医療システム(ホスピタルオートメーション)を構成する一つのサブシステムなのである.またそれは,物品の管理・供給システムとも関連し,最終的には建築の基本計画の構成にも大きくかかわってくる性質の問題である.
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